自然素材のお家

住宅建築で使われる「自然素材」とは?自然素材の種類一覧とその特徴を解説!

サステナブルな洋服や食べ物など、環境に配慮した生産プロセス作りに協力しようという意識が高まっています。住宅建築においても、「自然素材で作られた人体にも環境にも優しい家」を望む人が増えています。そもそも、「自然素材」とはどのような素材を指すのでしょうか。また、自然素材にはどのようなものがあるのか、一覧で紹介していきます。

 

1.自然素材とは?

「自然素材」という言葉は、主に住宅建築において使われる言葉です。ところが実は、「自然素材」の明確な定義はないのです。「人工的に合成した化学物質を不使用の素材」「機械を使った強制処理を施していない素材」「天然の性質や材質をそのまま生かした、自然そのままの素材」などといった意味合いで使われることが多くなっています。

 

2.自然素材の一覧

それではここからは、住宅建築で使われる自然素材の代表的なものを紹介していきます。それぞれの自然素材のメリットやデメリットも合わせて見ていきましょう。

 

2-1.漆喰(しっくい)

漆喰は、消石灰を原料にした素材です。かつてはサンゴ礁を原料にして、糊やスサなどをつなぎに加えていました。すべて自然由来の材料です。壁のほか、天井や外壁にも使われます。現在では漆喰の風合いに似せた「漆喰調」の塗装剤も多く使われていることから、すべて自然素材で作られる本来の漆喰のことを「本漆喰」と呼ぶこともあります・

漆喰は空気中の二酸化炭素を吸収しながらゆっくり固まる性質があることから、「呼吸する壁」とも呼ばれています。夏に湿気をおさえたり、冬には乾燥を防いだりする吸放湿性にも優れているのが漆喰のメリットです。湿度を適切に保つことで、多湿によるダニやカビの発生を防ぐ効果もあります。経年劣化しにくく長くきれいな状態を保つこともできます。防炎性もあります。

デメリットとしては、ひび割れしやすいことが挙げられます。また、漆喰の仕上がりには職人の技術力が大きく左右し、工期もかかります。

 

2-2.珪藻土

珪藻土は、水中のプランクトンが化石化したものを原料にしています。近年、バスマットやコースターなどの小物に使われ注目を集めている珪藻土ですが、住宅建築においては主に壁に使われます。

珪藻土のメリットは、バスマットやコースターに使われることでも分かる吸湿性の高さです。壁に使った場合も、無数に開いた穴の中に空気中の湿気を吸着させることで、吸湿性を発揮します。さらに空気が乾燥している場合には、吸着した水分を放出します。

匂いについてもその力を発揮します。高い脱臭・消臭効果も珪藻土の魅力です。仕上がりは漆喰に似た風合いになりますが、白がメインの漆喰に対して珪藻土はカラーバリエーションも豊富です。

 

珪藻土も漆喰同様、衝撃などでひび割れやすいのがデメリットです。また、珪藻土を固めるに石膏や合成樹脂、セメントなどの凝固剤を混ぜる際に、凝固剤の割合が多過ぎると珪藻土特有の風合いが低下しがちです。

 

2-3.無垢材

無機材とは、木の種類を問わず使いやすい大きさにカットした原木の木材を指します。大きく分けて、広葉樹と針葉樹に分類されます。広葉樹には、チーク・オーク・ウォールナット、針葉樹にはヒノキ・パイン・スギなどがあります。

木材を接着剤で固めた合板やベニヤなどの集成材と違って、化学物質不使用の無垢材はアレルギーなどの心配がありません。万一燃えてしまった際にも有害物質が発生しません。無垢材の魅力は何といっても温かな風合いです。合板の方が、強度が強くねじれなどもありませんが、裸足で歩いても木の温かさを感じられるのは無垢材ならではです。

木の色合いは経年でゆっくり変化しますが、それもまた味になると人気です。木に含まれる精油は、ダニやカビの発生をおさえる効果もあります。

一方で無垢材は、乾燥によって変形したり変色したりしやすいのがデメリットです。柔らかい無垢材は傷がつきやすく手入れに手間がかかります。

 

2-4.天然リノリウム

亜麻仁油を主原料に、松ヤニや木粉、天然顔料や石灰岩など全て天然素材で作られているのが天然リノリウムです。日本では1920年頃から病院や学校などの公共施設の床材として多く使われてきました。ビニールのような風合いが特徴です。

天然素材のため、有害物質が発生せず燃えにくいのが天然リノリウムの魅力です。亜麻仁油には抗菌作用もあり、清潔に保ちやすいのもメリットでしょう。弾力性・柔軟性に富んでいて、フローリングと比べて滑りにくく、バレエ教室の床材としても使われます。拭くだけできれいになる天然リノリウムは、静電気が起こりにくくホコリも舞いにくいので手入れが簡単です。

天然リノリウムは一時期公共施設などにも広く使用されていたものの、ビニール素材と比べどうしても価格が高くなってしまうのがデメリットであまり使われなくなってしまいました。ところが近年、エコロジー志向の高まりから再注目されています。直射日光で色あせしやすい点、アルカリ性に弱く中性洗剤を使う必要がある点は、注意が必要です。

 

3.まとめ

アトピーやぜんそく、シックハウス症候群などは、生活環境における化学物質が一因だと言われ、自然素材に注目が集まっています。家族の健康を守るために家作りに取り入れることは、地球環境を守るサステナブルな取組の1つにもなります。化学物質の素材と比べて手入れに手間がかかったり価格が割高だったりというデメリットもありますが、手入れしながら我が家に愛着を持つ暮らしも良いものです。

「株式会社 中川工務店」は、自然素材の注文住宅にこだわる工務店です。漆喰や杉、ヒノキなどの無垢材を使って建てる家は、耐震性にも優れています。当社では断熱材まで自然素材の物を採用し、とことんそこに暮らすお客様の安全で心地よい生活を叶えるお手伝いをしております。自然素材の家作りに興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。